【社会人生活⑩】「適応障害」で退職決意から再起へ:僕が「人生とキャリア」を再構築した7つのステップ

キャリア

こんにちは!

かつて、僕は適応障害と診断され、勤めていた大企業を退職するという大きな決断を下しました。それは、僕の人生とキャリアを一度「リセット」するような出来事でした。しかし、その“空白期間”こそが、未来に向けて再スタートを切るための貴重な時間となったのです。

この記事では、僕がどのようにしてその困難を乗り越え、自分らしい未来を切り開くための「再構築」を進めていったのか、具体的な7つのステップに分けてお話ししたいと思います。もしあなたが今、キャリアに迷いや不安を感じているなら、きっと僕の経験が役立つはずです。

1. 退職直後:まずは「人生の棚卸し」で自己と向き合う

退職を決意した僕が、まず最初に取り組んだのは、徹底的な「人生の棚卸し」でした。それは、まさに今このブログで日々実践していることと同じく、これまでの自分をじっくりと振り返る時間です。カフェの窓際でコーヒーを片手にiPadを開き、ひたすら自己分析に没頭しました。

  • これまで何を経験し、何を積み重ねてきたのか? (成功体験、失敗体験、スキル、知識、価値観)
  • どんな働き方をすることが、自分にとって本当に幸せなのか? (ワークライフバランス、人間関係、仕事内容、やりがい)
  • どんな未来を手に入れたいのか? (キャリア、プライベート、住まい、家族計画)

まるで就職活動のやり直しのように見えたかもしれませんが、これはアラフォーが人生の後半戦に向けて「キャリアを再構築」するための、最も重要な土台作りだったのです。

2. お金と心の余裕:「アッパーマス層」到達がくれた安心感

人生の棚卸しと並行して、まず確認したのは「お金」の状況でした。幸いなことに、この時点で僕の家計は「アッパーマス層」と呼ばれる資産帯に到達していました。

これは、具体的に言えば、数年間は働かなくても、焦らずに生活を維持できるだけの生活防衛資金と投資資産が確保できている状態を意味します。もちろん、これで一生遊んで暮らせるわけではありません。「あくまでリタイアではない、ただの小休止だ」と自分に言い聞かせました。

しかし、この家計の余力こそが、僕の精神的な余裕に直結していました。焦りや不安に押しつぶされることなく、冷静に次の手を打つことができたのは、この資産形成を地道に続けてきた自分を、素直に褒めてあげられる瞬間でした。

お金は、やはり心の盾になります。

3. 冷静な自己分析:「キャリアの武器」はまだ錆びついていなかった

退職後、次に冷静に分析したのは自身のキャリアです。感情的になりがちな時期ですが、ここは客観的な視点を持つように努めました。

  • 専門領域: クラウドとセキュリティの知識と実務経験
  • 勤務経験: 13年にわたる大企業での勤務経験(組織の中で成果を出す方法を体得)
  • 資格: 業務経験だけでなく、関連資格も多数取得済み

この時代、特にクラウドやセキュリティ領域は、社会のニーズが非常に高い「売り手市場」です。自分の持っている武器がまだ錆びついていないことを確認できた時、「あれ?意外と俺、この状況でも戦えるじゃん?」と、少しニヤリとしたのを覚えています。この自己認識が、新たな一歩を踏み出す自信を与えてくれました。

4. 働き方の理想を再確認:「派手さより安定感」へとシフト

キャリアを見直す中で、僕は自分自身の「働き方の理想」が大きく変化していることに気づきました。かつて憧れた「ベンチャー企業でなんでもやる!」「最先端技術にフルコミット!」といった働き方は、もはや自分には向いていないと自覚したのです。

僕がより強く魅力を感じるようになったのは、むしろ「堅実派」の道でした。

  • 大企業の安定した環境: 組織としてのしっかりとした基盤がある場所
  • 得意分野での貢献: 自分の専門性を活かし、特定の領域で深く貢献できる役割
  • そこそこの収入と安心感: 高すぎる収入よりも、生活を安定させるためのバランスの取れた収入

「派手さよりも、安定感」。この気づきは、「自分も大人になったな…」という感慨とともに、これからの働き方を考える上での重要な指針となりました。

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5. 人生の軸を見直す:「都市部から地方回帰」という新たな選択肢

キャリアだけでなく、人生そのものを大きく見直すきっかけになったのが「引っ越し」です。これまで都市部で生活してきましたが、僕も妻も元々地方出身。結婚、家族計画、そして将来的な親の介護問題──。

これらのライフイベントを具体的に考えれば考えるほど、「地元に戻る」という選択肢が、単なる理想ではなく、現実味を帯びてきました。

都会の喧騒を離れ、自然の多い場所で、家族と穏やかに過ごす未来。今までの自分なら想像もしなかったこの選択肢に、心が静かに引き寄せられていくのを感じました。この「住まいの選択」は、まさに「窓際FIRE」という僕の目標にも合致する、重要なピースだったのです。

6. 再起への「戦略」を定める:欲張らず、でも妥協もしない

これまでの自己分析、お金、キャリア、そして人生の軸の見直しを通じて、僕の転職戦略は自然と明確に絞り込まれていきました。

  • 地方の大企業: 安定した基盤と、地元での生活を両立できる場所
  • IT部門(クラウド・セキュリティ領域): 自分の専門性を最大限に活かせる部署
  • 自分の強みを活かして、着実に貢献できる場所: 過度なプレッシャーではなく、自身のペースで価値を提供できる環境

「欲張りすぎず、でも妥協もしない」。これが僕のテーマです。 会社の「歯車」であることは受け入れるけれど、ただの歯車ではなく、自分の専門性で「ちょっと特別な歯車」になれる場所。そんな居場所を見つけるため、僕は転職活動をスタートさせたのでした。

7. まとめ:人生のリセットは、未来への「戦略的再構築」

適応障害での退職は、僕にとって予期せぬ「人生のリセットボタン」でした。しかし、この期間を単なる“空白”にするのではなく、自己分析、資産状況の把握、キャリアの棚卸し、そして人生の軸の見直しという、戦略的な「再構築」に充てることで、僕は未来への新たな道を見つけることができました。

もし今、あなたが僕と同じように、キャリアや人生の転換点に立っているなら、焦る必要はありません。一度立ち止まり、自分自身と深く向き合う時間を作ってみてください。その時間が、きっとあなたの未来をより良い方向へと導く、最強の「戦略」となるはずです。

僕のこの経験が、あなたの「心の盾」を育み、未来の選択肢を広げる一助となれば幸いです。

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