【暮らし】安心は、整えた暮らしの中にあった――小さな仕組みが僕を支える話

暮らし

ここ最近、「ああ、自分は安心しているな」と感じる瞬間が、以前にも増して多くなりました。それは決して、銀行口座に莫大な貯金ができたからでも、会社で特別な昇進を果たしたからでもありません。ただ、日々の生活が、なんとなく“整っている”という、感覚的な実感。言葉で表現するのは少し難しいのですが、まるで足元の地面がしっかりと水平な場所に立っているような、そんな穏やかで、揺るぎない感覚が、私の中に広がっているのです。

安心は「外」から来るものだと信じていた日々

かつての私は、「安心」というものは、何か大きな「結果」を手に入れることで初めて得られるものだと固く信じていました。

  • 大企業に就職できれば、きっと安心できるはずだ。
  • 給料が上がれば、全ての問題は解決し、安心が手に入るだろう。
  • 周囲からの高い評価を得られれば、自分の存在が肯定され、安心できるに違いない。

しかし、社会に出て様々な経験を積むうちに、これらの「結果」は、残念ながらどれも一時的な気休めにしかならないことを痛感しました。たとえ、世間から見て完璧なほどに環境が整っていたとしても、自分自身の内面が整理されていなければ、結局は落ち着かず、常に何かに追われているような感覚から逃れることはできませんでした。心の中がごちゃごちゃと散らかっている状態では、どんなに恵まれた状況であっても、本当の意味での安心感を得ることは不可能だったのです。

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「整った暮らし」が、心を支える“静かな支柱”だった

そんな日々の中で、私はあることに気づき、少しずつ生活の「仕組み」そのものを整え始めるようになりました。それは、決して一度に劇的な変化をもたらすような大きな改革ではありません。日々の小さな習慣や選択を、意識的に見直していくことでした。

  • 資産形成で生活基盤の土台を築く: 未来への漠然とした不安を減らすため、早いうちから金融投資に取り組み、経済的な安定を図りました。これは、心のゆとりを生み出す上で不可欠な要素です。
  • 服や家具、デスク周りの統一: 日常的に使うもの、特に体に触れるものや視界に入るものは、無理なく使える、気に入ったもので統一するようにしました。これにより、無駄な選択肢を減らし、日々の小さなストレスを排除しました。
  • 通勤手段での気分転換: 私の場合、通勤をバイクで行うことで、朝夕の移動時間を単なる移動ではなく、風を感じながら気分転換ができる貴重な時間に変えました。これは、物理的な移動だけでなく、心の切り替えにも大いに役立っています。
  • 思考の「棚卸し」を習慣化: 頭の中のモヤモヤや悩みは、noteに書き出すことで整理するようにしました。感情や思考を文字にすることで客観視でき、複雑な問題も少しずつ単純化されていくのを実感します。
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どれも一つ一つは小さなことかもしれません。しかし、こうした日々の営みが積み重なり、「自分の生活が整っている」という実感が得られると、不思議なほど心が落ち着き、安定していくのを感じます。それはまるで、目には見えないけれど、確かに心を支えている“静かな支柱”が、私の中に育っていくような感覚でした。

整っているものは、多少の「揺れ」にも強い

暮らしを整えることの大きなメリットは、予期せぬ出来事やトラブルが起こった際にも、慌てず冷静に対応できる心の余裕が生まれることです。

例えば、急な出費が必要になったとしても、日頃から家計の仕組みがしっかりとできていれば、冷静に対応策を考えることができます。どこから捻出するか、どう調整するか、事前に立てた計画に沿って柔軟に対応できるのです。

また、仕事で大きな問題に直面したり、人間関係で悩んだりしたとしても、自分の思考をnoteに書き出す習慣があれば、感情的になることなく、問題の根源を少しずつ整理し、解決策を探ることができます。

整っているものは、多少の“揺れ”には耐えられる。 何か困難が起こっても「まあ、大丈夫だろう」「なんとかなるさ」と思えるのは、日々の小さな積み重ねによって、確かな「日常の支柱」が幾本も立っているからに他なりません。この安定感が、いざという時の冷静な判断力と、困難を乗り越える粘り強さを与えてくれるのです。

不安を「消す」より、“整えて向き合う”方が自分に合っていた

生きていく上で、不安を完全にゼロにすることは、おそらく不可能です。未来は常に不確実であり、私たちにはコントロールできない要素がたくさんあります。しかし、だからといって、不安にただ押しつぶされる必要はありません。

私にとって、不安を完全に「消し去る」ことを目指すよりも、「整った状態で、不安と冷静に向き合う」方が、はるかに自分に合ったアプローチでした。心が安定していれば、不安の正体を客観的に見つめ、その不安を解消するための具体的な行動を考えたり、あるいは受け入れたりする余裕が生まれます。

安心は、どこかに「手に入れに行く」ような、外から与えられるものではありません。それは、日々の暮らしの中で、私たち自身が意識的に“育てていく”ものなのだと、今は強く感じています。まるで庭の草木を丁寧に手入れするように、自分の心と生活を慈しみ、整えていくことで、安心感はゆっくりと、しかし確実に育っていくのです。

おわりに:安心の育て方は、人それぞれでいい

私にとっての「安心」は、特別な場所や状況の中にあるわけではありませんでした。それは、ごく当たり前の、しかし丁寧に作り上げてきた「整えた日常」の中に存在しています。

  • 散らかることのない、スッキリと片付いた部屋。
  • スケジュールがパンパンに詰まりすぎていない、適度な「余白」のあるカレンダー。
  • 目標に向かって、日々、地道に手を動かしている自分。
  • 誰にも邪魔されず、静かにnoteに向き合い、思考を深める夜。

これら一つ一つが、私の心を支える「安心の支柱」となっているのです。安心は、いきなり大きなものを求めるのではなく、足元を少しずつ、丁寧に整えていくことで、後から自然とついてくるものなのだと、今では確信しています。

今日もまた、ほんの少しだけ部屋を整え、明日の準備をする。それで、きっと十分なのです。この積み重ねこそが、私たちの心を穏やかにし、どんな変化にもしなやかに対応できる、揺るぎない安心感へと繋がるのだと信じています。

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