【資産形成】“守り”の資産形成術──僕が日常に仕込んだ、お金を逃さない仕組み

資産形成

「お金はどんどん増やさなきゃ」 「投資はハイリターンを目指すべきだ」

もしあなたが、そんな焦燥感に駆られているなら、かつての僕も同じでした。独身で働き盛りの頃、僕は資産形成といえば、いかに効率よくお金を「増やすか」ばかりを考えていました。しかし、パワハラによる適応障害で心身ともに疲弊し、人生の再構築を余儀なくされた僕は、転職を経て、家族を持ち、子育てを始めたことで、その価値観は180度変わりました。

どん底にいた僕の心を支えてくれたのは、「増えた資産」よりも、いざという時に頼れる「蓄え」でした。そして、その「蓄え」を減らさないための地味で堅実な仕組みこそが、僕に本当の安心感を与えてくれたのです。これは、僕が「守りの資産形成術」にたどり着いた、お金と心の平穏についての物語です。

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1. 「攻撃」から「守り」へ。僕の資産形成の軸が変わった理由

パワハラと激務で心身ともに疲弊し、会社を辞めようかと真剣に考え始めた時、僕の頭に真っ先に浮かんだのは、**「辞めたら、どうやって生きていこう?」**という漠然とした不安でした。

どんなに投資で資産が増えていても、それが短期的に現金化できないものだったら意味がありません。ましてや、精神的に不安定な状況では、冷静な判断も難しく、大きなリスクを伴う投資に手を出すことはできませんでした。この時、僕は初めて、「お金を増やすこと」よりも、**「お金を守り、減らさないこと」**の重要性を痛感しました。

転職活動中の心の支えになったのは、銀行口座にある現金の残高と、いつでも会社を辞めても、しばらくは生活していけるという「蓄え」でした。そして、この「守りの資産形成」の意識は、育児休業に入り、収入が減ったことでさらに強くなりました。日々、子どもの成長を見守る幸せな時間の一方で、確実にお金が減っていく通帳を見て、僕は改めてこの「守る力」の大切さを実感したのです。


2. 守りの資産形成術:お金を減らさないための地味で堅実な4つの戦略

「守り」の戦術は、派手なものではありません。しかし、地道に続けることで、着実に心の平穏という「貯金」を積み上げていくことができます。

(1) 支出を「見える化」する

僕が適応障害で苦しんでいた頃、不安になるとお金を使うことで心を紛らわせていました。しかし、それがかえって家計を圧迫し、さらに大きな不安を生むという悪循環に陥っていました。

この悪循環を断ち切るために最初に取り組んだのが、支出の「見える化」でした。家計簿アプリを使って、銀行口座やクレジットカードと連携させ、支出を自動で記録するようにしました。これによって、何にいくら使っているのかが一目でわかるようになり、無駄な出費を意識的に減らすことができるようになりました。自分の支出をコントロールできる感覚が、心の安定にも繋がっていきました。

(2) ドコモ経済圏で「守り」の仕組みを自動化

日々の生活で発生する支出を、いかにして無駄なく「守り」に転換するか。そのために僕がたどり着いたのが「ドコモ経済圏」の活用でした。

スマホをドコモ、クレジットカードをdカードに一本化し、d払いやdポイント投資を連動させることで、日々の買い物で自然とポイントが貯まる仕組みを構築しました。これは、意識せずともポイントが貯まり、それが投資という形で「資産」になっていく、まさに「減らさない」ための自動化されたシステムです。

(3) クレジットカードは1枚に絞る

以前は、ポイント還元率の高いクレジットカードを複数使い分けていました。しかし、それぞれのカードの利用状況を把握するのが面倒になり、家計が不透明になってしまうというデメリットに気づきました。

そこで、思い切ってクレジットカードをdカードゴールドの1枚に絞りました。これによって、家計の全体像がクリアになり、月末の振り返りも圧倒的に楽になりました。カードの枚数を減らすことは、お金の流れをシンプルにし、管理の負担を減らすことにもつながります。

(4) 子育てによる支出減

これは意図した戦略ではありませんが、育児休業中に外食やレジャーに出かける機会が減ったことで、結果的に支出が抑えられました。子育てによる物理的な制約が、かえって無駄遣いを防ぐ役割を果たしてくれたのです。浮いたお金は、積立投資に回すことができ、これもまた「守り」の資産形成の一環となりました。

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まとめ:地味な「守り」の積み重ねが、僕に本当の自由をくれた

これらの地味で堅実な「守り」の戦術は、決して派手なものではありません。しかし、投資の成績が振るわない月でも、これらの積み重ねがあるからこそ、僕の心は安定しています。

大企業に「しがみつかなくてもいい」という心の平穏と安心感は、お金を「増やすこと」だけでは決して得られませんでした。 「お金を守る力」は、僕にとって、人生の荒波から自分と家族を守るための最強の盾です。

この記事が、お金との向き合い方を考え直すきっかけになれば幸いです。

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