【暮らし】ロン毛時代から続く、僕の“整え習慣”—15秒の吐息で人生がスッとする

暮らし

近年、「マインドフルネス」という言葉を耳にしない日はないほど、私たちの生活に浸透してきました。ビジネス書から健康アプリ、さらにはヨガスタジオまで、今や自己啓発や健康維持の分野において、マインドフルネスはほぼ標準装備と言っても過言ではありません。この言葉が指し示すのは、「今、この瞬間に意識を集中させる」ことで、心の状態を穏やかに整える技術のこと。スマートフォンからの絶え間ない通知や情報過多の現代社会において、私たちの脳が常に刺激に晒され、心が振り回されがちな状況を考えると、マインドフルネスはまさに「心の免疫力」と呼べる、極めて重要なスキルであると言えるでしょう。

スピリチュアルなロン毛時代の僕にとっては常識でしたが何か?

実は私、このマインドフルネスという概念が世間でブームになるよりもずっと前から、この分野に深く傾倒していた時期があります。大学時代は、周囲から「スピリチュアルひげロン毛野郎」と揶揄されるほど、この種の思想に没頭していました。

本屋では、一般的なベストセラー棚には目もくれず、真っ先に仏教、哲学、そして自己啓発の棚へ直行。「潜在意識」「瞑想」「神との対話」といった、当時としてはかなりニッチな単語に胸をときめかせ、来る日も来る日も関連書籍を読み漁る日々を送っていたのです。

そんな僕にとって、マインドフルネスが“今さらブーム化してるの?”という感覚は正直なところ拭えません。しかし、流行り廃りとは無関係に、私自身が15年以上もの長きにわたり実践し続け、その効果を肌で感じてきた「自分なりの心の整え方」が確かに存在します。それは、流行に流されない、普遍的な価値を持つルーティンなのです。

僕の整えルーティン:それは「深く、吐く」

一般的に、マインドフルネス瞑想と聞くと、多くの解説書やガイドブックには「背筋を伸ばして目を閉じ、自然な呼吸に意識を向けましょう」といった導入が書かれています。もちろん、それも一つの正しい方法です。しかし、私は長年の実践の中で、そこに自分なりの工夫を凝らすことで、より高い効果を得られることを見出しました。

その工夫とは、ずばり「吐くことに全力を注ぐ」こと。

そうです、私は呼吸法におけるエースストライカー、いや、呼吸界の異端児とも言えるでしょう。吸うことよりも、いかに「吐き切るか」に全神経を集中させる、まさに“呼気重視型”の呼吸法を実践しているのです。この一点にフォーカスすることで、驚くほど心がクリアになり、深いリラックス状態へと導かれることを発見しました。

15秒以上、ひたすら吐く。そこから世界が変わる

では、具体的にどのように実践するのか、私の“呼気重視型”マインドフルネスの具体的なステップをご紹介しましょう。

  1. 姿勢を整える: 背筋を伸ばして、座ります。椅子でも床でも構いませんが、体が安定している状態を選びましょう。
  2. 意識を集中: 目を閉じ、1〜2秒かけて、今この瞬間の自分に深く意識を向けます。周囲の音や体の感覚に軽く注意を払ってみましょう。
  3. 究極の呼気: ここが最大のポイントです。15秒から20秒かけて、ゆっくりと、そして完全に息を吐き続けます。「もうこれ以上、空気は残っていない!」と限界を感じてからが、まさにこの呼吸法の真骨頂。さらに3秒から5秒、まだどこかに隠れていたかのような空気を絞り出すように吐き続けましょう。この「どこにあったんその空気?」という感覚こそが、心肺機能の奥深くまで意識を届かせ、深いリラックスへと誘います。
  4. 静かに吸い込む: 最後に、5秒ほどかけて静かに、穏やかに息を吸い込みます。無理に肺いっぱいに吸い込むのではなく、体が自然に吸い込む量に任せましょう。

この一連のサイクルを、3セットほど繰り返してみてください。すると、後頭部のあたりがじんわりと温かくなり、次第に筋肉の緊張が緩んでくるのを感じるはずです。肩の力がすっと抜け、心の奥底にあったモヤモヤとした重りが、フッと軽くなるような感覚に包まれます。たった数分の実践で、まるでコンピューターの「メモリ解放」が完了したかのように、精神がクリアになることを実感できるでしょう。

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勉強にも、仕事にも、バイクのエンジンにも(※気分的に)

この呼吸法は、私が15年以上もの間、あらゆる場面で活用し続けている、まさに「人生のツール」です。

  • 勉強中の集中力維持: 集中力が途切れてきたと感じたとき、この呼吸法を取り入れることで、再び集中モードへと切り替えられます。
  • 仕事中のストレス管理: 上司からの理不尽な要求や、予期せぬトラブルなど、仕事中に「理不尽パンチ」を食らった直後でも、この呼吸を数回行うことで、感情的な動揺を落ち着かせることができます。
  • 家庭内のピンチを乗り切る: 妻からの「話があるんだけど」という、夫婦間のヒヤリとする一言に動揺しかけた瞬間でも、深呼吸一つで冷静さを取り戻し、落ち着いて対応できるようになります。

私は、まるで「呼吸」という強力な装備を常に身につけているかのように、どんな時でも自分の精神状態をチューニングしています。これは、グーグルが社員研修に取り入れているマインドフルネス実践法にも通じる、実践的かつ効果的な心の整え方だと確信しています。

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睡眠にも応用。もはや眠りの入り口は“呼気”

私レベル(?)になると、この“呼気重視型”呼吸法は、なんと睡眠導入にも絶大な効果を発揮します。

夜、布団に入って目を閉じ、15秒呼気→5秒吸気のループに意識を集中するだけで、次に気づくのはもう朝、ということが珍しくありません。「え、まだ何も考えてないのに、もう朝!?」と驚くほど、まるでスイッチが切れたかのように、スーッと深い眠りに落ちることができるのです。不眠に悩む方や、寝つきが悪いと感じる方には、ぜひ一度試していただきたい究極の入眠儀式です。もはや、僕にとって眠りへの入り口は、吸気ではなく「呼気」なのです。

まとめ:整えは、日常にこそ必要

マインドフルネスと聞くと、多くの人はヨガスタジオの静寂な空間や、高級スパの心地よいアロマの中で行う、特別なアクティビティというイメージを抱くかもしれません。しかし、本当に大切なのは、そうした非日常の場だけではありません。

むしろ、現代社会をストレスなく生き抜くためには、日常のちょっとした瞬間に、乱れがちな自分を取り戻す能力こそが求められます。私の実践する“呼気重視型”マインドフルネスは、派手な道具も、特別な場所も、洗練されたポーズも一切不要です。ただひたすら、「深く、吐き切る」というシンプルな動作を繰り返すだけ。

しかし、この地味なルーティンが、驚くほど“地味に効く”のです。大学時代に生やしていたひげは剃り落とし、長かったロン毛も短く切りましたが、この15秒吐く呼吸だけは、これからも人生の相棒として、ずっと続けていくことでしょう。あなたの日常にも、この小さな「整え」を取り入れてみませんか? 心の平穏は、日々の実践から生まれるものです。

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