もし、この人生をやり直せるなら、僕は過去の自分に何を伝えるだろうか。
もちろん、株価や為替の答えを教えることもできます。でも、それでは意味がない。
なぜなら、正しい知識や考え方がないと、怖くて踏み出せないからです。過去の僕は、どんなに正解を教えられても、自分の足で一歩を踏み出す勇気を持てなかったでしょう。
僕は、高校を中退し、適応障害で会社を辞め、多くの挫折を経験してきました。
その経験から、人生を豊かにしてくれるのは、知識そのものではなく、その知識を活かすための「心の余裕」だと知りました。
この記事は、未来の僕から過去の僕への手紙です。
そして、これを読んでくださるあなたが、未来の自分のために一歩踏み出すきっかけになれば、これ以上嬉しいことはありません。
さあ、コーヒーでも飲みながら、ゆったりと楽しんでいただければ幸いです。
20歳の自分へ──「リボ払いは、未来からの借金」
大学生活の真ん中あたり。
ネットショッピングの誘惑も増えて、つい「リボ払い」に手を出したくなるかもしれません。
けれど、それは「リボ払い」という名の魔法のカードではありません。それは、未来の財布からお金を先に抜き取ってしまうようなものです。便利に見えても、その利息はじわじわと生活を圧迫し、あなたの心の余裕を奪います。
この時期はもちろん貯金も大切ですが、それ以上に意識してほしいのは自分への投資。
英語の勉強や旅行、新しいことに挑戦する経験は、必ず後で力になります。それは、いつかあなたの人的資本を何倍にも膨らませる種となるでしょう。
そして、何よりも大切なのが健康管理。運動習慣は将来の医療費を減らすだけでなく、あなたの人生の質を大きく変えます。かつて激務で心身を壊した僕は、健康こそが何よりも大切な資本だと、身をもって知りました。
25歳の自分へ──「怖くても小さく投資を始める」
社会人生活も少し慣れ、収入や暮らしも落ち着いてくる頃。
でも、ここからが本当の分岐点です。
「投資はまだ早い」と思うかもしれませんが、実は時間を味方につけられるのは今からです。複利の力は、若ければ若いほど、その威力を発揮します。
NISAやiDeCoのような制度を使い、まずは少額で始めましょう。毎月、飲み会を1回分減らす。ランチの回数を1回減らす。そのわずかな金額でも、未来のあなたは「あのときの一歩が、こんなにも大きな差を作ってくれた」と感じるはずです。
また、大きな買い物は本当に必要か一呼吸置いて考えてみてください。見栄や一時的な欲求で買ったものは、数年後には使われなくなっていることも多いのです。




30歳の自分へ──「固定費を減らすと自由が増える」
毎月必ず出ていくお金──家賃、通信費、保険料。
一度しっかり見直してみるだけで、将来の自由度はぐっと上がります。
例えば、僕がかつて住んでいた都心のアパートは、会社の近くで便利でしたが、家賃は重荷でした。地方へ転職し、家賃の安いアパートに住み替えたことで、生活のストレスは驚くほど減りました。
家や車を持つときは「買えるかどうか」よりも、「維持できるかどうか」を考えてください。一時的に買えても、維持費が重荷になってしまっては、自由な選択が制限されてしまいます。
保険も同じです。将来の不安をすべてお金で解決しようとすると、逆にその不安を解消するためのお金が足りなくなります。必要最低限に抑えることで、その分のお金を投資や貯蓄に回すことができます。
35歳の自分へ──「資産は安心を生む道具」
ここまでくると、ある程度の資産が築けているかもしれません。
でも覚えていてほしいのは、資産は目的ではなく手段だということです。
かつて、心の病で会社を辞めざるを得なかった僕を救ってくれたのは、コツコツと積み重ねてきた金融資産でした。
家族ができると、時間もお金もあっという間に使い道が変わります。仕事を休んで子育てに専念できたのは、これまで資産を積み上げてきたおかげです。
資産は「未来の自分の選択肢を広げる仕組み」なのです。


おわりに
お金は、結局のところ「自分をどう生きさせたいか」の表れです。
かつての僕は、お金のために我慢を重ねていました。しかし今、お金は僕の人生を豊かにするためのパートナーです。
過去の自分に伝えたいことは山ほどありますが、きっと未来の自分も今の私に何か言いたいはずです。
だからこそ、この手紙は未来の僕に向けても残しておきます。
おい未来の私、もしこれを読み返したら、また誰かに伝えてあげてください。
そして、そのときはぜひコーヒーでも飲みながら。


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