「Less is more(少ないことは、より豊かである)」
この言葉、ミニマリズムのスローガンとして有名ですが、
そもそも誰が言い出したのか、知ってますか?
正解は──
ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ。
はい、噛みますよね。僕も3回練習しました。
彼はドイツ生まれの建築家で、バウハウスの最後の校長を務め、
“モダニズム建築の巨匠”と呼ばれた人です。
引き算で完成する美しさ
ミース・ファン・デル・ローエが追求したのは、
「余白」や「機能美」 でした。
余計な装飾を廃し、構造そのものを美しく見せる。
ガラスと鉄で構成された建築は、冷たさではなく静けさを生んだ。
彼の思想は、建築だけでなく、
デザイン・生活・思考のあらゆる分野に影響を与えました。
僕のデスクがシンプルである理由。
Macのデザインが洗練されている理由。
noteの画面がスッキリしてる理由。
全部、「Less is more」の影響です。
僕がLessを選ぶようになった理由
昔の僕は、More信者でした。
- 本棚に入らないほどの技術書
- やたら多いタスク管理アプリ
- 「買ったはいいけど使ってない」アイテムたち
「持ってる=安心」と思っていたんです。
でも、転職・適応障害・キャリアの見直しを経て、
気づいたんですよね。
多すぎると、思考がブレる。
何をやるべきかよりも、
「選ぶ」ことに脳のメモリを使ってたんだと。
減らすことは、手放すことじゃない
最近では、僕の生活はだいぶミニマルです。
- デスク周りは、モニター・HHKB・トラックボールのみ
- 外出時はiPad Air
- 洋服は厳選したお気に入りだけをローテ
でも、「捨てた」わけじゃない。
選び抜いたら、これしか残らなかっただけなんです。
カフェで500円払ってコーヒー飲んでても、
「これは心のノイズを消す投資だ」と言えるくらいには、自分軸が育ってきた。
情報、付き合い、時間──すべてを整える“引き算”
Less is more は、モノだけの話じゃありません。
- 情報:SNSの通知は全部切ってます
- 付き合い:消耗する人とは距離をとる
- 時間:予定は“余白”ごとスケジューリング
余白があるから、自分に戻れる。
ごちゃごちゃした空間、ごちゃごちゃした人間関係、
ごちゃごちゃした頭の中。
これ全部、“削れない”ことが原因だったりする。

「もっと」より「ちょうどいい」がいい
資産形成でも、キャリアでも、
若い頃は「もっと、もっと」が合言葉だった。
でも今は、こう思う。
「ちょうどいい」って、実はすごく難しい。
そして、ものすごく価値がある。
静かに暮らせる家。
必要なモノだけある部屋。
適度な仕事と、適度な収入と、安心感。
Less is more──それは、
“何かを削った結果、やっと見えてくるもの”かもしれない。
おわりに:ローエと僕と、引き算の人生
ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ。
彼の名前は長いけど、言いたかったのは短い。
「Less is more.」
僕もまた、その言葉に導かれて、
余計なものを手放しながら、
静かに、自分の輪郭を取り戻していきたいと思う。
次にあなたが何かを“増やす”とき、
一度、立ち止まってこうつぶやいてみてほしい。
「それ、引いた方がよくない?」って。

コメント