これまでこのブログでは、経済的な自立を目指す上で、資産形成がどれほど重要であるかについて語ってきました。そのために、私自身も資格取得に励んだり、日々の生活で節約を心がけたりと、様々な努力を重ねてきました。
しかし、今日は少し趣向を変えて、私の「投資に対するマインド」、特に「考えないこと」を戦略とする独自の哲学について深掘りしてみたいと思います。
「投資なのに考えない?」そう訝しがる方もいるかもしれません。しかし、私がたどり着いた結論は、まさにそこにあります。この記事では、私がなぜ「思考停止」を投資の最重要戦略と捉え、いかにして「忘れる勇気」を持って資産形成を続けているのかを、具体的な経験を交えながらお伝えします。
投資マインドの核心:考えない。忘れる。寝かせる。それが僕の「ほったらかし投資術」
「え、投資なのに考えないの? 忘れるの? 寝かせるだけ?」
そう思った方、安心してください。それが、私にとっての「正解」なんです。(※あくまで個人の経験に基づいた感想ですが。)私の投資戦略は、驚くほどシンプルに徹しています。
- 証券口座で積み立て設定を完了させる(毎月&ボーナス時):これは、NISAやiDeCoといった非課税制度を最大限に活用し、定期的に一定額を投資に回すことを指します。一度設定してしまえば、あとは自動で投資が実行されます。
- 入金したら即忘れる:これが最も重要です。投資した瞬間に、そのお金は自分の手元を離れ、未来への種を蒔いたと認識します。日々の値動きに一喜一憂することなく、まるで存在しないかのように忘却の彼方に放り投げるのです。
- 経済ニュースは話半分に読む:世の中には、景気動向や株価予測に関する情報が溢れています。しかし、それらの情報の多くは短期的な変動に焦点を当てており、長期的な視点を持つインデックス投資家にとっては、かえってノイズになることが多いと実感しています。日経平均が下がったという見出しを見ても、「ふーん」と軽く受け流す程度に留めます。
- 思考リソースは目の前の仕事や自己投資に集中する:有限な脳のリソースを、投資の予測や分析に費やすのではなく、本業のスキルアップや資格の勉強、健康維持など、「今の自分」に直接的な価値をもたらす活動に使うことに徹します。
この「考えない」「忘れる」「寝かせる」という一見無謀に見える戦略こそが、私の心の平穏を保ち、着実に資産を増やすための秘訣なのです。
オールカントリーよ、君たちにすべてを託した:信頼と委任の精神
積み立てNISAでもiDeCoでも、私が選んだのは「全世界株式(オールカントリー)」を投資対象とする投資信託です。その選択の背景には、徹底した「信頼」と「委任」の精神があります。
- リスク分散? もちろん、全世界の企業に分散投資されているから、特定の国や企業に依存することなく、リスクは十分に分散されているはずだと信じています。
- 将来のリターン? 世界経済が長期的に成長し続けるという歴史的な実績と、それに乗っかるだけで十分なリターンが得られるという理論を信じています。個別の企業分析や市場予測に時間を割く必要はありません。
- 投資先? 世界中で日夜頑張っている、数えきれないほどの企業たちです。彼らが経済活動を通じて価値を生み出し、成長してくれることこそが、私の資産を増やしてくれる源泉だと捉えています。
私は、「君たち(世界中の企業)が成長してくれればそれでいいんだ。僕は寝てるから」という感覚で、資産運用を完全に委任しています。この、ある種の「丸投げ」とも言えるスタイルこそが、私のような“普通の人”にとっての最適解であり、最もストレスなく資産形成を続けるための「強み」だと考えています。



投資脳から勉強脳へ:人的資本の強化こそが最大の投資
投資に過度に気を取られることは、往々にして「今」を疎かにすることに繋がります。毎日の株価変動をチェックし、経済ニュースに一喜一憂し、常に市場の動向を追いかける生活は、精神的な消耗が激しく、本業や自己成長のための貴重な時間とエネルギーを奪ってしまいます。
しかし、インデックス投資の最大の魅力は、一度設定してしまえば「ほったらかしても勝手に動いてくれる」点にあります。この「自動運転」の仕組みを最大限に活用しない手はありません。
だからこそ私は、自分の有限な脳のリソースを、「自分の人的資本(Human Capital)の強化」に使うことを決めています。
- 未来の資産は投資信託に任せる。
- 今は目の前の参考書を開き、知識やスキルを磨く。
- 株価の確認に時間を費やすよりも、資格の問題集を1ページでも多く進める。
この徹底した「割り切り」が、私の精神衛生を健全に保ち、長期的な人生戦略においても非常に効果を発揮していると実感しています。市場の波に翻弄されることなく、確実に自分自身の価値を高めることに集中できるからです。
参考記事:創造的な「自分だけの場所」の作り方:資格取得が教えてくれた、地に足のついた暮らしのヒント
ニュースを見て不安になる夜もある:それでも「売らない」という強い意志
もちろん、いつも余裕しゃくしゃくでいられるわけではありません。
- コロナショックのような、世界経済を揺るがす未曾有の事態。
- トランプ政権時の関税問題のような、国際的な不確実性。
- テレビやインターネットで流れてくる「日経平均、爆下がり!」といった煽り気味の見出し。
そんな情報に触れると、私の心もざわつきます。不安になり、思わずポートフォリオを確認してしまいたくなる衝動に駆られる夜もあります。
しかし、そこで大切なのは、「売らない」「調べない」「焦らない」という、鋼のような強い意志です。過去の歴史が証明しているように、一時的な暴落は、長期的に見れば買い増しのチャンスであり、いずれ回復していくものです。感情に流されて狼狽売りをしてしまえば、せっかく積み上げてきた努力が水の泡になってしまいます。
そんな不安な感情が頭をもたげてきたとき、私は心の中で自分にこう言い聞かせます。「心配する暇があったら、参考書を1ページでも進めよう。」このシンプルな「呪文」が、私の心の動揺を鎮め、結果的にポートフォリオを「ガチホ(ガチホールド:長期保有)」で維持する原動力となっています。
参考記事:お金が「心の盾」になる:資産形成がもたらす真の安心と自由
まとめ:僕が頑張るのは“今の自分”、投資は“忘れる勇気”
投資というものは、やろうと思えばどこまでも深く探求できる世界です。チャート分析、テクニカル指標、企業研究、暴落対策のポートフォリオ再構築…全てを気にし始めたら、時間も労力もいくらあっても足りません。そして、その情報過多は、かえって不安を増幅させ、正しい判断を曇らせる原因にもなりかねません。
だからこそ私は、自分なりの「割り切り」と「戦略」を明確にしました。
- 毎月・毎年の積立を完全に機械化し、自動で実行されるように設定する。
- 投資判断は「しない」ことを戦略の中心に置く。市場の変動に反応するのではなく、ただ淡々と積み立てを続ける。
- 頑張るのは、日々経済活動を営んでいる世界中の企業たち。「みんな、僕の代わりに働いてくれてありがとう」という感謝の気持ちで、彼らに資産の成長を委ねる。
このマインドセットで、私の資産形成は、静かに、そして確実に回り続けています。
そして私は今日も、株価のグラフではなく、目の前の参考書を開きます。自分の人的資本を磨き続けることこそが、未来の自分への最高の投資だと信じて。



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