「そろそろ家、買わないの?」
そんな声がチラホラ聞こえてくる年齢になった。
でも正直、僕はまだこう思っている。
「いや〜、決めきれんのよ。」
家を買うって、カレーを中辛にするくらい簡単じゃない。
一生に一度とか言われたら、そりゃ慎重にもなるってもんだ。
家賃2万7000円の楽園と、その終わり
今住んでいるのは、いわゆる社宅。
家賃2万7000円。3LDK。地方都市。車2台OK。
……え? これ夢じゃないよね? って何度か確認した。
でもこの楽園にもタイムリミットがある。あと3年で家賃補助が切れる。
周りを見れば、皆せっせと土地を探し、間取りを考え、ローンを組んでいる。
「俺もそろそろ……かな?」と一瞬だけ思うものの、次の瞬間にはこう考えてしまう。
「いや待て、あの30年ローンというやつ……重くない?」
新築って、買った瞬間に中古じゃん?
いちおう、住宅展示場にも行ってみた。
お菓子もらって、キラキラのキッチン見て、「うわ〜素敵〜!」って言ってみる。
でも心の奥ではこうつぶやいていた。
「……で? この家、買った瞬間に価値がガクッと落ちるのよね?」
新築って、ピカピカな分、買ったあとに急激に“中古感”が出るのが切ない。
しかも住宅価格は年々上昇。性能も良い。わかる。
だけど「土地が安いはずの地方でもなぜか高い」という謎現象。
ローンを背負っても“資産”じゃないかもしれない家。うーん、決断には勇気がいる。
中古+リノベ? 低価格住宅?それが現実解かも
そんなわけで、僕が現実的だと思ってる選択肢はこのあたり。
- 中古住宅+自分たちらしいリノベ
- シンプルなローコスト住宅
要するに、「住めればいい」ではなく、「住みたいように住める」ことが大事。
広すぎず、設備過剰じゃなくていい。
ちょっと手をかけて、自分で仕立てていける家に魅力を感じている。
(まあDIYセンスはゼロだけど)
賃貸の「出ていける安心感」が捨てがたい
今の社宅、最高だし、
たとえ今後賃貸に移ったとしても、「住んでみて違ったら引っ越せばいい」 という気楽さはやっぱり大きい。
- 修繕? 管理会社に電話。
- 固定資産税? 知らんがな。
- 近所トラブル? 来年には引っ越してるかも。
「持ち家は安心」ってよく言うけど、僕には「動けること」も安心に感じる。

決められない自分を、笑って許す
たぶん、いつかは買うんだろうなとは思っている。
でも「今か?」と問われると、やっぱり首をかしげる。
- 焦って買っても、しっくりこなければ意味がない
- 住む場所って、気持ちが定まってこそ
そんなふうに考えているからこそ、この“迷いの時間”も大事にしたいと思っている。
決めきれないなら、いっそその気持ちを文章にしてみよう。
そうすれば、ちょっとは前に進めるかもしれない。
おわりに──住宅購入、それは「暮らし」への問い
僕にとって家を買うというのは、「夢のマイホーム」というよりは、「自分はどう暮らしたいのか」という問いに答えることなんだと思う。
今はまだ、その答えが出ていない。
でも、こうして迷っている時期こそ、後から振り返って大事だったと思える気がしている。
今日も、家賃2万7000円の家で、そんなことを考えながらコーヒーを淹れている。

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