若い頃、健康って「空気」みたいなものでした。あるのが当たり前。寝なくても、食べなくても、徹夜で働いて、学んで、どんな無茶をしても翌日には回復し、がんばれたものです。僕が大学で勉強に目覚め、成績優秀者として表彰された頃も、体力だけは無限にあるように感じていました。
しかし、30代後半になると、ある日ふと気づくのです。「あれ? なんか、毎日ちょっとずつ不調じゃね?」と。これは、僕が「人生のベルカーブ理論」で語った、体力的なピークが過ぎたことを意識し始めた瞬間でもありました。


不調な日は、なにもかもダルい:「今日ムリかも…」の消耗戦
睡眠不足の朝。 ベッドから出るだけでMP(マジックポイント)を40消費。出社したらもう残りMP10で、メールひとつ読んだだけで「今日ムリかも…」と心が折れそうになる。こんな経験、ありませんか?
不調な日は、まさに消耗戦です。
- 集中力が続かず、簡単なタスクにも時間がかかる。
- 些細なことでも決断ができなくなり、思考が停止する。
- コーヒーを3杯飲んでも目が死んでいて、覚醒しない。
- 「今日はこれだけできた」という達成感がひとつもなく、無為に一日を終えてしまう。
こんな日は、一日を「消化試合」として終えるしかありません。僕がかつてパワハラ上司の下で働いていた頃は、まさにこんな不調が日常化し、精神的にも肉体的にも追い詰められていました。

健康が整った日の無双感:「よし、今日の自分、なかなかいいぞ」
一方で、ちゃんと寝て、体が整った日の朝は、全く違います。朝イチのコーヒーが美味しいだけで幸福感はMAX。TODOリストもスルスル片付き、発言にもキレがある(気がする)。まさに「無双モード」です。
- 次々とアイデアが湧き、クリエイティブな仕事もはかどる。
- 早めに仕事を切り上げて散歩に出かけたり、自分の時間を有効活用できる。
- 多少疲れても、ちゃんと寝れば回復するという自信がある。
体調というものは、目に見えないけれど、仕事のパフォーマンスも、私生活の充実度も、大きく左右してくることを痛感します。僕が地方の製造系大企業に転職してからは、通勤時間が減り、睡眠時間を確保しやすくなったことで、このような「健康な日」が増えたと感じています。これは「窓際FIRE」を目指す上で、精神的な安定と並び非常に重要な要素です。

数字で見る“健康の資産価値”:見えないものを可視化する重要性
お金やキャリアの目標設定では、数字で目標を立て、進捗を管理するのが当たり前です。しかし、健康は「なんとなく調子が良い」「なんとなく疲れている」といった感覚で捉えられがちです。僕は最近、この「見えない資産」である健康も、数字で記録するようになりました。
最近は、以下のような指標を記録して、自分の健康状態を客観的に把握しています。
- 睡眠時間: 6.5時間未満の日は、ほぼ例外なく翌日不調。
- 歩数: 5,000歩以上歩いた日は、脳がスッキリし、気分も良い。
- 体重: 増えすぎても身体が重くて不調、減りすぎても疲労感や不安感につながる。
- メンタル: 日記アプリなどでその日の気分をスコア化。「うっすら不機嫌」な日が多いとアラートを出すようにしています。
お金と違って、健康はグラフにしにくいですし、直接的に「〇万円稼いだ」というような目に見えるリターンはありません。しかし、こうして記録を続けると、「あ、この生活を続けるとヤバいやつだ」と、具体的な行動変容に繋がる気づきが得られます。これは、僕が「人生の棚卸し」でオーロラを振り返るように、自分の状態を客観視する習慣に通じます。

結論:「今日は元気だな」が、最強のアセット(資産)
資産形成は、もちろん大事です。僕自身、4000万円を超える資産を築き、「いつでも辞めれる」という心の余裕を手に入れるために努力してきました。しかし、どんなに素晴らしい金融資産や人的資本を築いても、それを活かす土台、つまり「健康」がなければ意味がありません。
「健康」は、僕の人生の利益率を底上げする、まさに「最強のアセット」であると確信しています。 どれだけお金があっても、体が動かなければ意味がない。どれだけスキルがあっても、心身が不調ではパフォーマンスを発揮できない。
日々を「今日は元気だな」と感じられることこそが、最も価値のある資産であり、僕の「人生ダッシュボード」において「幸福度」という中央の指標を支える、最も重要な土台なのです。この気づきは、僕が地方移住や「ゆるい」生活を目指す理由の一つでもあります。



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