「〇〇さん、最近すごく成功してますね!」
ありがたいことに、そんな風に言われることがあります。もちろん、素直に嬉しいですし、これまでの努力が報われたように感じる瞬間です。でも、僕自身はいつも、心の中でこう思うのです。
「いや、成功してるかはよくわからんけど、幸せではある。」
この感覚、もしかしたら皆さんも共感してくださるかもしれませんね。今日はこの、「成功」と「「幸せ」という、似ているようで実は全く違う二つの概念について、僕なりの視点で語ってみたいと思います。そして、どうすれば自分軸で「幸せポイント」を貯めていけるのか、そのヒントをお伝えできれば幸いです。
成功は他人軸、幸せは自分軸:誰かの評価と自分自身の実感
僕がたどり着いた、この問いに対する結論は、とてもシンプルです。
- 成功:他人に評価されること、外部の基準で測られること。
- 幸せ:自分が心から満足していること、内側から湧き上がる実感。
考えてみてください。昇進や昇給、有名企業への転職、何かの受賞歴、あるいはSNSでの「いいね」の数──これらは確かに、外から見える「成功のモノサシ」であり、他者が僕たちを評価する指標になりがちです。社会的なステータスや、世間体が絡んでくることも多いでしょう。
一方で、日々の生活の中にある小さな喜びはどうでしょうか。
- 仕事終わりに、おいしいご飯が食べられた。
- 週末に、家族と心ゆくまで笑って過ごせた。
- お気に入りの服を着て、一日を心地よく過ごせた。
- 趣味に没頭し、時間の流れを忘れた。
これらは、完全に僕の内側から湧き上がる「実感」です。誰かに認められる必要も、誰かと比べる必要もありません。本人が「ああ、これ、最高にいいね!」って思えたら、それがもう幸せなんです。

大企業に勤めてるから幸せ?いや、ちがう:表面的な「成功」の落とし穴
たしかに僕は、いわゆる大手企業の会社員です。世間的には「安定していて成功している」と見られるかもしれません。しかし、それだけでは、決して幸せにはなれませんでした。むしろ、新卒で配属されたばかりの頃は、パワハラ上司にメンタルをゴリゴリ削られ、「会社こわい…」モード全開の日々でしたからね。当時は、「成功している」と評価されても、「幸せ」とは程遠い状態だったのです。
僕が心から「幸せ」だと感じられるようになったのは、表面的な「成功」を追いかけるのをやめ、自分自身の内面と向き合い、以下のことにコツコツと取り組んだからです。
- 金融資産をコツコツと積み上げたこと:経済的な基盤を築くことで、心に余裕が生まれ、選択肢が増えました。
- 資格取得などで「人的資本」を伸ばしたこと:スキルを磨き、自分自身の市場価値を高めることで、会社に依存しすぎない自立した精神が育まれました。
- 自分の意思で行動し、それを積み重ねた実感があること:誰かに言われたからやるのではなく、自分で選び、自分で行動し、その結果が積み上がっていく過程に喜びを感じるようになりました。



この「自分で土台を作ってきた感覚」があるからこそ、その上に乗っかる日々の日常が、当たり前ではない「嬉しいこと」としてちゃんと感じられるんだと思います。
「幸せポイント」を貯めるゲーム、はじめました:日常に隠された小さな宝物
人生はRPGのようなものだ、とよく言われますよね。レベル上げをすることももちろん大切ですが、僕は今、日々の生活の中で「幸せポイント」を集めるという、地味だけどとてつもなく重要な「サブクエスト」に夢中なんです。
どれもこれも、一見すると地味なことばかりです。
- 統一感のあるお気に入りのデスク環境に座る。
- 肌触りの良いお気に入りの服を着て、気持ちを整える。
- 香りのいい淹れたてのコーヒーで、静かに朝をスタートする。
- 妻と週末にスーパーへ行き、たわいもない会話をしながら小さな買い物を楽しむ。


これらは誰かに褒められることでも、評価されることでもありません。でも、その一つ一つが、僕の心の中で「これ、好きだなあ」「ああ、心地いいな」と、まるでコインがチャリンチャリンと貯まるような、ささやかな喜びを与えてくれます。この小さなポイントの積み重ねこそが、僕の「幸せ残高」を増やしているのだと実感しています。
幸せは「なったもん勝ち」:自分の状態を「整える」ことの重要性
これ、最近気づいたことなんですが、幸せって、意外と“気分”で決まるものなんですよね。
例えば、どんなに高級で予約が取れないようなレストランに行ったとしても、体調が悪ければ料理の味なんてまともに感じられません。せっかくの機会も台無しです。逆に、何の変哲もないコンビニのコーヒーでも、心持ちが穏やかで、気持ちが整っていれば「なんか今日、やけにうまいな」と、じんわりとした幸せを感じられたりします。
つまり、「幸せになりたい」と漠然と願うよりも、「自分の状態を整える」ことこそが、幸せのスイッチを押す、最も効果的な方法なのではないかと思っています。体調を整え、心を穏やかに保ち、日々の小さな不快を取り除く。そうすることで、今まで気づかなかった日常の美しさや喜びが、鮮明に見えてくるはずです。
ドロップアウト時代も、そうだった:疲れた心では気づけない幸せの兆し
高校を中退した時。適応障害で退職を考えていた時。当時の僕は、まさに「幸せ?いや無理だろ」という気分でした。心は常に不安と焦燥感で満たされ、周りの全てが灰色に見えました。
でも、今思えば、あの時も確かに、小さな幸せの兆しはあったはずなのです。
- 図書館でたまたま手に取った本が、予想外に面白かったこと。
- 散歩中にふと見上げた空が、吸い込まれるように青く、綺麗だったこと。
- 近所の銭湯で湯船に浸かり、「は〜っ」と深い息を吐き出した瞬間の解放感。
当時は、心のコップが不安で溢れかえっていて、そうした小さな幸せの雫が注がれても、気づく余裕がなかっただけなんですね。だからこそ今は、意識して深呼吸をして、目の前の良いこと、美しいことに気づこうと努めています。


まとめ:人生のギアは、幸せに気づいた瞬間に回り始める
かつては「幸せになるには、〇〇が必要だ」とか「△△を達成すれば幸せになれるはずだ」と、目標を設定しては、その先に幸せがあると信じ込んでいた時期もありました。
でも実際は、そんな大げさなことじゃなかった。今この瞬間に**「ああ、幸せだなあ」って思えたら、それでOK**なんです。
- 他人にとっての成功よりも、自分にとっての納得感。
- 大きな成果よりも、日々の気分の整え方。
- 劇的な変化よりも、小さな実感を丁寧に積み重ねること。
これが、僕が今、最も大切にしていることです。今日も僕は、お気に入りの服を着て、お気に入りのマグカップでコーヒーを飲み、お気に入りの人生を、静かに、そして確かに回しています。あなたの人生のギアも、きっとあなたが「幸せ」に気づいたその瞬間から、力強く回り始めるはずです。


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