かつて「我慢は美徳である」と言われ育った世代の私ですが、ある時から、その価値観を大胆に変えました。私が新たに信じる道、それは──「触れている時間の長いモノには、惜しまず金をかけろ」という、僕なりの“コンフォート原則”です。
なぜ、この原則が私の人生を劇的に変えたのか?それは、日々の小さな「不快」の積み重ねが、気づかないうちに私たちの幸福度を蝕んでいることに気づいたからです。この記事では、私が実践する「コンフォート原則」の真髄と、それを生活に取り入れることで得られる驚くべき変化について、具体的な愛用品を交えながら熱く語ります。
毎日使うもの、適当に選んでない?:見過ごされがちな「日常のストレス」
人間は、意識的・無意識的を問わず、一日の大半を特定のモノに触れて過ごしています。スマートフォン、パソコンのキーボード、毎日座る椅子、肌に触れる服、そして地面と接する唯一の道具である靴……。これらは、私たちの身体と密接に関わり、日々の活動を支える「生活の土台」を形成しています。
しかし、その重要性にもかかわらず、多くの人はこれらの「毎日使うもの」の選択を軽視しがちではないでしょうか。
- 「スマホはとりあえず安いのを選んでるから…」
- 「キーボード?会社支給の備品で十分」
- 「靴なんて何でもいいでしょ、歩ければ」
──いやいや、違うんです。私は声を大にして言いたい。
その「どうでもいい」「なんでもいい」という意識が、実はあなたの人生にじわじわと小さな「不快」を積み重ね、気づかないうちに心の疲労を蓄積させているのです。例えるなら、毎日履く石の入った靴、毎日座る座り心地の悪い椅子が、あなたの集中力や幸福感を静かに奪っているようなものです。
投資すべきは「地面・身体・日常」:コンフォート原則の真髄
私がたどり着いた“コンフォート原則”の真髄は、ある友人の言葉に集約されます。 「自分の身体と地面の間にあるモノには金をかけよ」
この言葉を聞いた時、私は鳥肌が立ちました。まさに「言い得て妙」とはこのことです。これは、足元、腰元、指先といった、私たちの身体が直接触れ、日々の活動を支える「生活のベース」を徹底的に整えることの重要性を説いています。
高価なブランド品や、見栄を張るための衝動買いではありません。日々の生活の質(QOL)を底上げし、ストレスを軽減し、心地よさを追求するための「戦略的な投資」なのです。
具体例で見る「コンフォート原則」実践:私の愛用品たち
私がコンフォート原則を実践する中で見つけた、人生の質を劇的に向上させてくれた愛用品たちをいくつかご紹介します。これらは単なるモノではなく、私の日常を支える大切な「パートナー」です。
🪑 椅子:エルゴヒューマン信者
在宅勤務が本格化し、まずこだわったのが椅子でした。一時は「最高の椅子」として名高いアーロンチェアの購入も検討し、そのブランド力と価格に怯えながらも導入しました。しかし、そこで直面したのは、私のような「椅子の上であぐらをかく族」にとっては致命的な問題でした──足が組めない、金属パーツがくるぶしに食い込む、そして結果的に腰を破壊…という悲劇。
そこで出会ったのが「エルゴヒューマン」でした。エルゴヒューマンに変えてからは、腰の痛みは劇的に改善し、まるで**「尻が椅子に吸い込まれる」ような、未体験の座り心地**に感動しました。体勢を変えても身体をしっかり支えてくれるその機能性は、長時間の作業でも集中力を途切れさせません。

👟 靴:ニューバランス996偏愛記
地面と唯一の接点である靴の履き心地は、一日の気分を大きく左右します。履き心地が悪い靴は、それだけで足に負担をかけ、思考力を奪い、一日をグダグダなものにしてしまいます。
数々の靴を試してきた私がたどり着いたのは、ニューバランス996でした。このスニーカーに出会ってからは、もはや「宗教」です。靴擦れゼロ、通勤も軽やか、そして何より帰宅後に「足が死んでいない」ことへの感動は、計り知れません。スニーカーなのにどんな服装にも合わせやすく、まさに究極の普段履きと言えます。

👕 服:パタゴニアR1 Airのリピート地獄
朝、クローゼットから選び、夜に脱ぎ、そしてまた翌朝、無意識のうちに手に取ってしまう──これこそが、本当の“愛用”の証ではないでしょうか。私にとって、それがパタゴニアR1 Airです。
このミッドレイヤーは、通気性と保温性のバランスがまさに「神」。登山などのアウトドアシーンはもちろん、日常の部屋着やちょっとした外出着としても最適です。気づけばベージュと黒を2着ずつ所持し、「リピート地獄」に陥っています。吸湿速乾性にも優れているため、洗濯してもすぐに乾き、ヘビーユーズに耐えうるタフさも魅力です。 今や「着る快適さ=精神安定剤」の時代であると、私は確信しています。

⌨️ キーボード:指先のQOLをナメてはいけない
会社から支給される、ペコペコとした打鍵感のキーボードを使っていた頃。指が“疲れる”なんて意識したこともありませんでした。しかし、気づかないうちに、その小さな不快が積み重なり、疲労として蓄積されていたのです。
試しに、高級キーボードの代名詞とも言えるHHKB(Happy Hacking Keyboard)に変えてみたところ、世界が変わりました。文字入力そのものが趣味になるほどの「快感」。「あ、これが仕事の“快”なのか」と感動した、とある午後の3時でした。指先から脳に伝わる心地よい打鍵感は、集中力を高め、作業効率を向上させるだけでなく、日々の仕事に対するモチベーションをも変えてくれます。

📱 スマホ:1日3時間握るなら、もうパートナーだろ
スマートフォンは、現代人にとって最も長い時間触れているデバイスの一つでしょう。ケース、保護フィルム、スタンド、充電器……これら地味な周辺機器一つ一つが、実は日々の快適性に直結しています。
一日に3時間以上、人によってはそれ以上使うデバイスに対して、たった数百円、数千円をケチってどうするのでしょう。持ちやすさ、見やすさ、充電のしやすさといった、一つ一つの小さな快適性が、スマホを使うたびにあなたを「イラッ」とさせるか、それとも「心地よさ」を感じさせるかを決定づけます。スマホはもはや単なる道具ではなく、私たちの生活に深く根ざした「パートナー」と呼ぶにふさわしい存在なのです。
快適は、継続を生む:甘えではなく「合理的な選択」
「快適なものに頼るなんて、甘えじゃない?」──もしかしたら、そう感じる人もいるかもしれません。しかし、私は断固としてこう主張します。
快適な環境は、甘えではない。それは、効率と幸福を最大化するための「継続の装置」だ。
腰痛で作業を中断せざるを得ない状況に陥るより、座り心地の良い椅子に初期投資をして、毎日集中して仕事ができる方が、はるかに合理的です。足が痛くて帰り道が苦痛になるより、履き心地の良い靴で軽やかに歩き、余裕を持って一日を終えられる方が、人生の幸福度は確実に高まります。
我慢して耐え続けることは、一見美徳に見えますが、長期的に見れば心身に負担をかけ、パフォーマンスを低下させます。それよりも、快適さを追求することで得られるポジティブな感情と身体への負担軽減は、結果的に**「続ける力」**を生み出します。そして、「続ける力」こそが、私たちの人生を豊かにする最も重要な要素の一つなのです。
まとめ:「生活の土台」に金をかけるという最高の投資
「毎日使うモノにこそ、積極的に投資しよう。」
これは、私がこれまでの人生で様々な試行錯誤を重ねてきた中で、最も効果が高かった「生活改善の原則」です。
- 私たちの身体と地面の間にあるモノ。
- 一日に何時間も触れている道具たち。
これらを雑に扱ったり、質の悪いもので我慢したりすると、気づかないうちに人生そのものが「ザラつく」感覚に陥ります。心に小さなストレスが蓄積され、集中力は低下し、日々の満足度は下がっていくでしょう。
“コンフォート原則”。それは、高価なものを持つこと自体が目的ではありません。日々の生活の質を静かに、しかし確実に底上げしてくれる、言わば「生活のQOLを静かに底上げする魔法」なのです。
あなたの人生、もしかするとその椅子と靴とスマホを少し見直すだけで、想像以上に快適で豊かなものになるかもしれません。
──それではまた、この快適なデスクから、次の記事を執筆します。
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