銀行口座を開いて、証券口座も開いて、
ふと合算してみたら、資産が4000万円を超えていた。
「え、俺、いつの間にこんなに貯めてたの?」
まるで知らない間にレベル上げされてたRPGの主人公みたいな感覚。
別に宝くじが当たったわけでも、IPOで大勝ちしたわけでもない。
ただ、投信積んで、節約して、地味に生きてきただけ。
でもその積み重ねが、ここまで来ていた。
安心は増えた。でも“万能感”はない
正直、4000万円って聞くと「安心!」って思うかもしれない。
実際、車が壊れようが、冷蔵庫が逝こうが、ドンとこいくらいの安心感はある。
でもそれ以上は……あんまり変わらない。
相変わらず仕事のストレスはあるし、
週末はスーパーの見切り品をつい見ちゃうし、
値動き300万下がった日は「うおお」ってなる。心の中でだけど。
「老後も安泰!」なんて思えた日は、まだ来てない。
むしろ、資産があることで「この金額で本当に足りるのか?」という新たな迷いも湧いてきた。

節約の“物差し”が変わった
かつてはコンビニでペットボトルを買う自分を、
心の中で「裏切り者……」と責めていた。
でも今は、「今日は頑張ったし、冷たいお茶くらい許そうや」と思える。
資産4000万になると、自分への甘さもインフレするらしい。
100円を節約するより、
その100円で気持ちよく過ごせる方が大事だと、ようやく思えるようになった。
「欲しいもの」より「納得して買えるもの」が基準になったのは、大きな変化かもしれない。
増えた選択肢、増えた問い
お金が増えると、選択肢も増える。
でも同時に、「選ばないといけない問い」も増える。
- 本当にFIREしたいのか?
- もっと稼ぐべきか? もういいのか?
- 家を買うのか? このまま賃貸なのか?
資産があることで見えてきたのは、“自由”じゃなくて“選択の重み”だった。
何もないときは「お金さえあれば」と思ってた。
でも今は「このお金、どう使おう」が難しい。
お金で買えたのは「静けさ」だった
4000万円持ってても、空を飛べるようにはならないし、
朝起きるのが好きになるわけでもない。
でも、明日いきなり仕事がなくなっても「まあ大丈夫か」と思える。
その静けさと余裕は、お金がもたらしてくれた確かな“変化”だった。
僕はまだセミリタイアもしてないし、働いてるし、バリバリでもないけど、
「人生のアクセルを踏みっぱなしじゃなくてもいい」と思えるようになった。
それだけで、ずいぶんラクになった。
おわりに──資産は“心のギア”だったのかもしれない
資産が4000万円を超えて、
僕は超人になったわけでも、仙人になったわけでもない。
変わったのは、生活じゃなくて“感じ方”だった。
「もう少しだけゆっくりしてもいいよ」と、
自分の中の自分が言ってくれているような、そんな感じ。
お金は魔法じゃない。
でも、“ちゃんと生きてきた証拠”ではある。
そしてたぶん、これからもコツコツ積むんだろう。
今日もまた、静かに積み上げながら、暮らしていく。

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