「育休中って、収入が減るから、貯金どころじゃないよね?」
この言葉を耳にするたび、僕は心の中で深く頷きながらも、別の思いを抱いています。育休に入る前の僕も、多くの人と同じように、収入減という現実を前に不安を感じていました。しかし、実際に育児休暇という期間を経験してみると、意外な発見がありました。それは、この時期に本当に重要となるのは、「無理にお金を増やす」ことよりも、“お金を無駄にせず、着実に手元に残す仕組み”を徹底的に整えることだという、揺るぎない実感です。
僕自身のキャリアを振り返れば、高校中退という決して順風満帆とは言えないスタートから、大学で猛勉強に目覚め、最終的には通信系大企業に就職し、資産形成にも力を入れてきた道のりがあります。その中で培われたのは、「守りの意識」と「効率化への執着」でした。育児という新しいライフステージは、この「守り」の意識をさらに深く、そして具体的な行動へと落とし込む絶好の機会を与えてくれたのです。


🧹 育休は“家計チューニング期間”:時間と心の余裕が生み出す最適化の機会
フルタイムで働いていた頃の僕は、常に時間に追われ、精神的な余裕もありませんでした。「やらなきゃな〜」と思っても、日々の仕事や通勤、あるいはパワハラ上司との戦いに心身ともに消耗し、家計の見直しに腰を据えて取り組むことなど、夢のまた夢でした。週末に溜まったレシートを眺めてはため息をつき、結局何も手付かず、ということが常でした。
しかし、育児休暇に入り、生活のリズムが大きく変化したことで、思いがけず“隙間時間”が生まれました。もちろん、育児に費やす時間は圧倒的に増えましたが、それでも通勤時間がなくなり、会議や定例業務から解放されたことで、これまで「後回し」にしてきた家計と向き合うまとまった時間ができたのです。
具体的に取り組んだのは、以下のような項目です。
- 使っていないサブスクリプションサービスの徹底的な解約: 気づけば契約していた動画配信サービス、フィットネスアプリ、クラウドストレージなど、惰性で払い続けていたものを見直し、本当に必要なものだけを残しました。月額数百円でも、年間で見れば数千円、数万円の節約になります。
- クレジットカードの整理: ポイント目当てで作ったものの、ほとんど使っていなかったカードや、年会費だけがかかるカードを整理しました。これにより、カード情報の管理の手間が減り、セキュリティ面でも安心感が得られました。
- 息子の保険、教育資金の検討: これまで漠然と考えていた「いつかやらなきゃ」というタスクに、ようやく腰を据えて取り組むことができました。複数の保険会社から資料を取り寄せ、比較検討し、夫婦で話し合いながら最適なプランを選びました。
- 生活費全体の“見える化”と予算設定: 何にどれくらい使っているのかが不透明だった状況を打破するため、固定費と変動費を細かく洗い出し、それぞれの項目に予算を設定しました。
中でも最も大きな効果があったのが、マネーフォワードなどの家計簿アプリを活用して家計を徹底的に整えたことです。時間のある今だからこそ、日々の支出を細かく仕分けし、無駄がないかを確認する余裕が生まれました。これは、まさに家計全体の「チューニング期間」であり、将来の資産形成の土台を固める上で不可欠な、非常に重要な時間だと感じています。この地道な作業を通じて、僕の家計はより強固で無駄のないものへと生まれ変わっていったのです。
📱 ドコモ経済圏で“ポイ活”を回す:日々の暮らしを最適化し、ポイントで家計を支える
携帯キャリアは、学生時代からずっとドコモを使い続けています。育休中も、この既存の環境を最大限に活用し、ポイント還元を意識したドコモ経済圏での「ポイ活」を継続、さらに強化しました。新しいサービスを闇雲に増やすのではなく、すでに生活に根付いているサービスを最大限に“お得化”する、という考え方です。
- dカードとdカード GOLDの組み合わせ: 普段の買い物でdカードを使い、ポイントアップ加盟店や特定サービスでの利用でdカード GOLDを組み合わせることで、毎月のポイント還元効率を最大化しました。これにより、意識せずとも毎月数千円分のポイントが貯まるようになり、通信費や日用品の支払いに充てています。
- d払いとdポイントの連携: コンビニやスーパー、ドラッグストアなど、日常生活で利用する店舗では積極的にd払いを使用し、dポイントと連携させることで、支払いのたびにポイントが貯まる仕組みを徹底しました。これにより、現金払いをほとんどなくし、家計の記録も自動化されやすくなりました。
- アプリでポイント履歴を追う楽しみ: 貯まったポイントの履歴をdポイントアプリで確認するのが、ちょっとした楽しみになっています。「こんなに貯まったのか」という達成感が、ポイ活のモチベーション維持に繋がっています。
これらの取り組みは、通信費の圧縮だけでなく、日々の消費を通じたポイント還元という2軸で、じわじわと家計に良い影響を与えています。これは、僕が「質素であることは再調整である」という考え方で、無駄を省きながらも豊かさを追求する、新しい生活様式の一部となりました。
💳 支払いは“クレカ一本+マネフォ管理”:徹底した可視化が浪費を断つ
家計管理を効率化するために最も効果的だったのが、支払いをdカード中心に一本化し、そのカードをマネーフォワードと連携させたことです。これにより、すべての入出金が自動的に記録され、「可視化」されるようになりました。この可視化こそが、無意識の浪費を劇的に減らす強力な力となりました。
- 使った覚えのない支出がすぐに発見できる: 定期的なチェックで、覚えのない引き落としや、契約したまま忘れていたサービスなどを即座に発見し、対応できるようになりました。これは、セキュリティ面でも大きな安心感を与えてくれます。
- 支出ジャンルごとの傾向が“感覚”でつかめる: 食費、日用品、娯楽費など、カテゴリごとの支出推移がグラフで表示されるため、感覚的に「今月は食費が多いな」「あのジャンルの出費が増えている」といった傾向を把握できます。これにより、どこを節約すべきか、あるいはどこにお金をかけても良いのかが明確になります。
- 家計簿アプリも隙間時間に触るだけでOK: 以前は週末に何時間もかけてレシートを仕分けしていましたが、今は育児の合間のほんの数分、アプリをサッと開いて連携を確認したり、不明な支出を仕分けしたりするだけで、家計全体が常に最新の状態に保たれます。これは、「焦らず、心配せず動き続ける」という僕のモットーにも合致する、無理なく継続できる仕組みです。
この仕組みを導入したことで、家計管理はもはや「義務」ではなく、「日々の習慣」へと変わり、精神的な負担が大幅に軽減されました。
👶 子どもがいると、“使わない”選択が増える:ライフスタイルがもたらす自然な支出抑制
子どもが生まれたことで、ライフスタイル自体が大きく変化し、結果的に出費が驚くほど自然と抑制される感覚があります。これは、意識して節約する、というよりも、生活の優先順位が変化したことによる、穏やかな変化です。
- 外出の回数が減り、外食も激減: 子どもを連れての外出は、準備や移動に時間がかかり、気軽に外食を楽しむ機会も激減しました。結果的に、外食費が大幅に削減され、自炊やテイクアウトが増えました。
- 自分の服や趣味への出費が抑えられる: 自分のための買い物にかける時間や興味が、自然と子どもに向けられるようになります。衝動買いが減り、本当に必要なものだけを選ぶ意識が高まりました。
- モノより時間、買い物より工夫: 高価なモノを買うことよりも、子どもとの時間を大切にしたり、家の中で楽しめる工夫を凝らすことに価値を見出すようになりました。例えば、新しいおもちゃを買う代わりに、家にあるもので手作りのおもちゃを作ったり、公園での外遊びに時間を費やしたり。
これは「買わない理由」が増えたというよりも、「買わなくても十分に満たされる」「買わなくて済む」ことに心から納得できるようになった、という感覚です。僕が「自分にとって十分な豊かさとは何か」という問いに向き合い、「お金と幸福」の関係を深く考えるようになった結果、消費に対する価値観がより本質的なものへとシフトしたのだと感じています。
🚀 「増やす」より「整える」が今のフェーズ:盤石な“守り”の資産形成
資産形成というと、「積立投資」「副業」「不労所得」といった、積極的に収入を増やしていく“攻め”のイメージが強いかもしれません。もちろんそれらも長期的には非常に重要であり、僕もS&P500への投資などを継続しています。しかし、育休中の僕にとって、そして収入が一時的に減少するフェーズにおいては、今は「お金の流れを整える」こと、すなわち“守り”の資産形成こそが最優先事項だと強く感じています。
- 節約よりも“仕組み”の見直しに重点を置く: 頑張って食費を数百円削るよりも、サブスクリプションを一つ解約したり、保険を見直したりする方が、長期的な節約効果ははるかに大きいです。個別の努力ではなく、自動的に無駄を省く仕組みを構築することを目指しました。
- 無理に収入を増やすことよりも、“お金を逃さない”意識を持つ: 育児中は、副業などに時間を割くことが難しい場合が多いです。そんな時こそ、今ある収入を最大限に活用し、無駄な支出で流出させないことに意識を集中します。
- 家計簿をつけることが、単なる記録ではなく“思考の整理”にもなる: 支出の記録を通じて、自分の消費行動や価値観を客観的に見つめ直すことができます。何に価値を感じ、何に無駄を感じるのかが明確になり、それが今後の人生設計や消費行動にも良い影響を与えます。
育休中は一時的に収入が減る分、目標額を積み立てるのは難しいかもしれません。しかし、この期間に支出設計という“地ならし”を徹底的に行うことで、復職後にはより効率的かつ無理のない資産形成が可能になります。これは、将来的に僕が目指している「窓際FIRE」に向けた、非常に重要で盤石な準備期間なのです。


✍️ おわりに:育休中にできる「守りの資産形成」の確かな手応え
育休中という限られた時間の中で、僕ができることは想像以上に多かったです。
- 長年漠然と使っていたサービスや契約を見直し、無駄を排除したこと。
- ドコモ経済圏を活かしたポイ活生活で、日々の支出をお得に最適化したこと。
- マネーフォワードを徹底活用して支出を完璧に「見える化」し、家計全体をコントロールできるようになったこと。
- そして、息子の保険など、これまで「後回し」にしていた重要案件の棚卸しと決断。
- 何よりも、子どもが生まれたことで、自分の消費行動や価値観が変化し、「そもそも要らない支出」に心から気づけたこと。
“攻め”のフェーズではない今だからこそ、“守り”を固め、より強固で効率的な家計へとリニューアルを進めています。この育休期間は、単なる休息ではなく、僕の人生の資産形成において、非常に重要な戦略的ピットストップだったと確信しています。
🍼 育休中に資産形成できるの?と不安に感じている方へ。まずは「整える」ことから始めること。それは、未来のあなたと家族の生活を守るための、非常に賢明で、確かな一歩となるはずです。
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