【暮らし】“完璧じゃない育児”がちょうどいい理由

暮らし

子どもが産まれる前、僕は心の中で思っていました。「育児は、事前の努力としっかりした段取りさえあれば、きっと乗り越えられるはずだ」と。これまでも高校中退から大学で勉強に目覚め、通信系大企業で成果を出してきたように、努力すれば結果はついてくる。そんな考えが頭のどこかにありました。

しかし現実は、僕の甘い予測を良い意味で裏切るものでした。育児は、“なんとかなる”んじゃなくて、“なんとかする”の連続。まさに、予測不能な毎日がそこにありました。

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理想と現実のギャップ:完璧主義が心をすり減らす

例えば、育児の日常はこんな感じです。

僕の理想: 「今日は○時に授乳して、寝かしつけて、その間に自分の時間を作って、フフフ……。」 厳しい現実: 「おむつ替えで大泣き→ミルク拒否→抱っこしてあやす→全然寝ない→自分も泣きそうになる…」

スケジュール通りに進むことなど、ほとんどありません。子どもの機嫌一つで、それまでの計画はあっという間に崩れ去ります。もしこの状況で完璧主義にこだわり続けていたら、僕の心はあっという間にすり減り、疲弊しきっていたでしょう。

「これ、どこかで見たことあるな…」と思ったら、それはかつて通信系大企業で経験した“会社の炎上プロジェクト”でした。当時はパワハラ上司の下で、計画通りにいかないことへのストレスが半端なかったのですが、育児もまた、それとは違う種類の、しかし強烈なプレッシャーがあることを知りました。

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うちの作戦名は「まぁいっか作戦」:肩の力を抜く勇気

そんな現実の中で、僕が編み出したのが、我が家の「まぁいっか作戦」です。

  • 寝かしつけの抱っこ、歩き回って5分粘ったら降参。 それ以上は無理せず、抱っこ紐に切り替えたり、抱っこしたまま座ったり。完璧な寝かしつけはプロに任せようという心境です。
  • ミルクの量や温度は、1ml単位で気にしない。 大体の量で、大体の温度であればよし。神経質になりすぎず、子どもの飲みっぷりを優先します。
  • 寝かしつけの音楽がハードロックでも気にしない(実話)。 静かな子守唄が理想かもしれませんが、妻が好きな音楽をBGMにして、一緒にノリノリで寝かしつける日もあります。
  • お風呂後の保湿クリーム? 2日に1回でも塗ってればヨシ! 毎日完璧に塗れなくても、できる範囲で続けていれば大丈夫。

こうやって書くと、ずいぶん雑な親に見えるかもしれません。もしかしたら「もっとちゃんとやるべきだ」と思う人もいるでしょう。でも、大丈夫。子どもは今日も、太陽のような笑顔で笑っています。それでいいじゃないか。僕が目指すのは「完璧な子育て」ではなく、家族みんなが笑顔で過ごせる毎日だからです。

“ゆるさ”はパートナーへの優しさでもある:夫婦で助け合う関係

育児において完璧を目指すと、知らず知らずのうちに、どこかで“誰かの不完全さ”を責めたくなるものです。それは、自分の完璧主義が、他人にも適用されてしまうからです。

「もっと○○してほしい」 「なんで△△してくれないの?」

…そうした言葉は、相手にも自分にも、けっこうな「毒」になります。夫婦関係にひびが入る原因にもなりかねません。僕自身、仕事でストレスを抱えていた時に、周囲に不満をぶつけてしまった経験があるからこそ、この言葉の毒性を理解しています。

だから我が家では、「どっちか元気な方が勝ち」というシンプルなルールにしています。疲れている方が無理をする必要はなく、休めるときは遠慮なく休む。育児の主導権は、その時一番眠れていて、心に余裕がある方が取る。…だいたい、妻が勝ちます。そして、妻が休めているからこそ、僕も安心して自分の時間(例えば昼寝など)を取ることができるのです。この「睡眠優先」の姿勢は、結果的に家族全員の幸福に繋がっています。

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完璧じゃないからこそ、子どもも肩の力が抜けてる気がする

正直、まだ育児は始まったばかりで、“正解”なんて到底わかりません。育児書を読んだり、SNSで情報収集したりしても、最終的には「うちの子にはこれが合う」「うちはこれで大丈夫」という個別解に行き着きます。

だけど、どんな日であっても、家の中に笑いがあること。それだけは、夫婦二人でちゃんと育てられている気がします。僕が「自分にとって十分な豊かさとは何か」と考えた時、最も重要だったのは「笑顔」と「心の平穏」でした。

たまに、子どもの泣き声が止まらなかったり、思うようにいかなかったりして、心が折れそうになることがあります。そんなときは、僕は小さく、しかし確かな声でこうつぶやきます。

「まぁいっか。今日もなんとか乗り切ったぞ」

この言葉が、魔法のように心を軽くしてくれます。

おまけ:完璧主義だった頃の自分へ

過去の自分へ。特に、高校を中退し、何もかもが中途半端だと感じていた時期の自分へ伝えたい。

やっと気づいたよ。 「できなかったこと」を数えて自分を責めるよりも、「やれたこと」を一つでも多く数える方が、人生ははるかにラクになる。育児も仕事も、そして日々の資産形成も、たぶんそれが真理だと思う。完璧を求めず、ただ「焦らず、心配せず動き続ける」ことが、遠回りに見えて一番の近道なんだ。

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