「あと何年、満員電車に揺られますか?」 ふと、そんな自問自答をしたくなる朝がある。僕は今38歳。これまでのキャリアは、高校中退から大学での猛勉強、そして通信系大企業への就職、パワハラ上司との戦い、そして適応障害からの転職と、決して平坦なものではありませんでした。しかし、そのおかげで会社員としてのキャリアはそれなりに積み上がり、資産も4,000万円を超えました。これは、「いつでも辞めれる」という心の余裕を得るために、地道に資産形成を頑張った結果でもあります。
でも、心のどこかでこう思っているのです。 「完全リタイアじゃなくて、ちょうどいい自由がほしい」 そこで僕が目指すのが「サイドFIRE」という働き方です。これは、僕が「窓際FIRE」という言葉で表現している、新しいワークライフバランスの形でもあります。

サイドFIREとは?目指すは「生活費のフルカバーは目指さない。でも心は自由。」
サイドFIREとは、生活費の一部を投資などの資産から賄いつつ、残りをゆるく働くことで補うスタイルのことです。完全な経済的自立を目指す「FIRE」とは異なり、労働収入をゼロにする必要はありません。
要するに、「生活費のフルカバーは目指さない。でも心は自由。」という、僕にとっての理想的なバランスポイントです。たとえば週3日だけ働いて、残りの時間はカフェで読書したり、家族と散歩したり、自分の趣味に没頭したり。それでいて「お金がなくなる不安」とは無縁でいられる——そんなライフスタイルを目指したいと考えています。これは、僕が「会社は選ぶもの」だと考えるようになったきっかけでもあります。


10年後の理想像:ゆるやかにギアを落とす人生
僕が思い描く10年後、48歳になったときの理想像は、以下の通りです。
- 年齢: 48歳
- 資産: 7,000万円〜8,000万円
- 生活費: 月25万円(地方暮らし継続)
- 働き方: 週2〜3日、在宅のIT系業務
- 精神状態: わりとゴキゲン
今の生活をベースに、ゆるやかにギアを落としていくイメージです。まるでマニュアル車を5速から3速に戻すような感じで、無理なく、しかし着実に目標へと進んでいきたい。これは、僕が人生のベルカーブ理論で語った「ピーク」を意識しつつ、その後の人生をどう過ごすか、という問いへの答えでもあります。

実現のための習慣:無理なく、しかし着実に
このサイドFIREという目標を実現するためには、日々の習慣が非常に重要になります。僕が実践しているのは、以下の3つの柱です。
1. 支出の最適化(無理しない)
固定費(通信費、保険料など)は、すでに徹底的に見直し済みです。これは、僕がドコモ経済圏に身を置いている理由でもあります。 一方で、外食やカフェでの「ラテマネー」は我慢しない派です。節約のためにメンタルを削ってしまうと、本末転倒になってしまいます。あくまで「ゆるく」、そして「賢い支出のルール」に従って、日々の生活の質を保ちながら支出を最適化することを心がけています。これは、僕が考える「お金の質」にも繋がります。


2. 投資は習慣(淡々と、しかし大胆に)
投資は、僕にとって歯磨きと同じくらい日常的な習慣です。S&P500などのインデックス投資をコツコツと積み立てています。僕の投資哲学は「考えるな、投資しろ!」というシンプルなものです。 市場が暴落しても狼狽しない、むしろ「買い増しできるくらいの胆力」を育てることを意識しています。NISA制度もフル活用し、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で、着実に資産を増やしていく計画です。これは、僕の30代後半の資本戦略の根幹をなすものです。

3. 働き方のソフトランディング(急ブレーキはかけない)
今の職場は、地方の製造系大企業に転職してきて1年ほど経ちますが、比較的悪くありません。在宅勤務もできているし、人間関係も落ち着いてきました。だからこそ、急ブレーキをかけるのではなく、徐々に減速していく方法を選びたいと考えています。
「もう全力で働くステージは終わりに近づいている」という感覚は、適応障害を経験した僕にとって、非常に重要な気づきです。将来、週3日勤務のような形で「役に立ちつつ、疲れない」を実現できればベストです。これは、僕が考える「会社を使い倒す」という、新しい会社との向き合い方でもあります。


FIREは逃げ道ではなく“整える”手段:人生の主導権を取り戻す
FIREという言葉は、「今の仕事から逃げたい」というネガティブな感情から始まる人も少なくありません。しかし、僕にとっては、「今よりちょっと良くしたい」という、人生をより良く「整える」ための調整手段に近いものです。
たとえば、僕がサイドFIREを目指す理由は、以下のようなものです。
- 時間をもっと自分に使いたい: 育休中に「時間」という資産の価値を痛感しました。自分の学びや趣味、休息のために時間を使いたい。
- 子どもの成長をしっかり見ていたい: 育児は「完璧な子育ては必要ない」と理解しつつも、「睡眠を優先する父親のライフハック」を実践しながら、かけがえのない時間を大切にしたい。
- 心と体を守りながら働きたい: パワハラ経験や適応障害を経て、健康が何よりも大切な資産だと痛感しています。「健康は資産」という考え方を軸に、無理のない働き方を追求したい。
そのために、お金と向き合い、働き方を調整していく。それが、僕のサイドFIREロードマップなのです。これは、僕が「人生ダッシュボード」で可視化しようとしている、人生の各要素を最適化するプロセスそのものです。



最後に:「ちょうどよく、幸せだ」と言える未来へ
10年後、48歳の僕がこう言ってくれるといいな、と願っています。 「あのとき、サイドFIREの準備を始めてよかった」 「ちょうどよく、幸せだ」
そう思えるよう、今日もまた地味に投資を積み立て、日々の生活を「整える」努力を続けています。これは、僕が「努力はしない方が良いこと」と考える、無理のない持続可能な努力です。


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