【暮らし】読む→やる→書く のループが、自分を整えてくれる話

暮らし

昔から、私は比較的読書をする方でした。自己啓発書、働き方に関する指南書、お金についての知識、そして心地よい暮らしのヒントなど、様々なジャンルの本を手に取り、「なるほどなあ」と深く頷く日々を送っていました。しかし、ある時ふと気づいたのです。「あれ? これだけ本を読んだはずなのに、何も変わってないんじゃないか?」

頭の中には知識がどんどん積み上がっていく一方で、それを実際の行動に移せないまま、ただ時間だけが過ぎていく。そんな自分自身の状況に、もどかしさと焦りを感じていました。この状況が劇的に変わったのは、私の中に「読む→やる→書く」という独自のサイクルが確立されてからだと確信しています。今日は、このシンプルながらもパワフルなループが、いかに知識を「使える知恵」に変え、私の人生を整えていったのかを詳しくお話ししたいと思います。

本を読むだけでは、決して身につかなかったこと

読書を終えた直後は、「良いことを知ったな」「これは使えるぞ」と、一時的な満足感に浸ることができます。しかし、その高揚感は長くは続きません。数日も経てば、本の具体的な内容は記憶の彼方へと曖昧になり、結局、私の生活は何一つ変わらないままでした。

この時、私は重要なことに気づきました。本に書かれているのは、私たちにそのまま適用できる「唯一の答え」ではないということです。むしろ、それらは私たち一人ひとりが、自分なりに解釈し、“現実で試してみるためのヒント”に過ぎないのだと、後から強く実感するようになりました。知識は、行動と結びついて初めて、真の価値を発揮するのです。

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現実で「実行」してみると、初めて意味が出てくる

知識を行動に移すことの重要性に気づいてから、私は読書後の行動を意識的に変えるようになりました。例えば、ある本に「支出は自分の価値観の写し鏡である」という言葉が書いてありました。この一節を読んだ日から、私はコンビニで何かを買う前に、一瞬立ち止まって「これ、本当に自分の価値観に合っているか?」と自問自答するようになったのです。この小さな問いかけ一つで、無駄な衝動買いが減り、お金の使い方が変わっていきました。

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また、ウォーキングを推奨する本を読めば、翌朝は少しだけ早く起きて、実際に家の周りを歩いてみる。片づけ術に関する本を読んだら、完璧を目指すのではなく、まずはデスクの上にある物の中から「ひとつだけ」整理してみる。

このように、どんなに小さくても良いから、まずは行動に移してみること。この「行動する」というステップを踏むことで、本に書かれていた抽象的な内容が、まるで「自分の中に降りてくる」ような感覚に変わっていくのです。それは、知識が血肉となる瞬間であり、表面的な理解から、深い洞察へと変化するプロセスです。

ブログは、自分のための“振り返り”ツール

そして、行動してみたことを、後からブログに書き残しておくこと。この「書く」という行為が、得た情報や経験を一段と深く自分の中に定着させてくれます。

ブログにアウトプットする際、私はただ事実を羅列するだけでなく、「何がうまくいったのか」「何がうまくいかなかったのか」「その経験が自分にどう合っていたのか」といった点について、徹底的に言語化し、分析します。文字にすることで、頭の中のモヤモヤがクリアになり、ぼんやりとしていた感覚が「自分の具体的な答え」へと変わっていくのです。

ブログは、もちろん多くの人に読んでもらえる場ではありますが、私にとってはまず第一に、自分自身の「記録」であり「確認」の場です。書くことで、得た知識が経験と結びつき、さらに深く理解され、記憶に定着します。まさに、知識の消化吸収を助ける、強力な振り返りツールなのです。

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「読む→やる→書く」がつながると、情報が“使える知恵”になる

「読む」「やる」「書く」。この3つのステップは、どれか一つだけでは、その効果を最大限に発揮することはできません。

  • 読むだけでは、得た情報に満足してしまい、行動に移せず、結局何も変わらない。
  • やるだけでは、経験は積めるものの、そこからの学びや反省が明確に残らず、次へと繋がりにくい。
  • 書くだけでは、インプットがないままでは内容が薄くなったり、自分の経験だけでは視野が狭まったりと、空回りする可能性がある。

しかし、この3つが有機的に繋がり、一つのループとして機能することで、得た情報が単なる「なんとなく知ってる」という状態から、「自分のものとして使える知恵」へと昇華されていくのです。これは、自己成長の速度を劇的に加速させる、非常に効果的な学習サイクルだと断言できます。

おわりに:人生を整えるのは、大きな一歩じゃなく“ゆるく回るループ”かもしれない

正直なところ、私だって今でも、人生に迷うこともありますし、落ち込むこともあります。完璧な人間などいません。しかし、この「読む→やる→書く」というループを日々の習慣として回し続けていると、人生の大きな岐路に立たされた時でも、大きく道を踏み外したり、ブレたりすることなく、着実に前へ進めている気がするのです。

本から新しいヒントや刺激をもらい、それを現実世界で少しだけ試してみる。そして、その経験や気づきをブログに書き出すことで、自分の中で考えを整理し、次なるインプットや行動へと繋げていく。

この地味で、そして「ゆるく回る」小さなサイクルこそが、私自身の人生を少しずつ、しかし確実に整えてくれていると実感しています。そして、このサイクルを意識するようになってから、インプットする行為も、実際に行動を起こすことも、さらにはそれを記録することも、以前よりもずっと楽しくなりました。

人生を劇的に変えるのは、もしかしたら一度きりの大きな一歩ではなく、この「読む→やる→書く」という、日常に根ざした小さなループをいかに継続できるか、なのかもしれません。

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